
ネイチャーフォトグラファー
柏倉 陽介
ネイチャーフォトグラファー
柏倉 陽介
雑誌や広告を中心に自然に関わる分野を幅広く撮影。自然風景、自然と対峙する人々などをテーマに撮影している。作品は国連気候変動枠組条約締約国会議などで展示され、国内外のメディアに掲載。Paris Photography Prize野生動物部門1位・地球写真部門1位、Monochrome Photography Awardsランドスケープ・フォトグラファー・オブザイヤー受賞、レンズカルチャー地球写真賞2位、ナショナルジオグラフィック国際フォトコンテスト入賞など主要な国際写真賞にも多数入賞。
『ソニーは挑戦的で新しい技術を出し惜しまない』


柏倉さんは普段ソニーのデジタル一眼カメラαで自然風景を撮られていますが、主力機材について教えてください。
柏倉 : メインカメラはα7RⅢです。レンズはFE 24-70mm F2.8 GM、FE 16-35mm F2.8 GM、FE 70-200mm F4 G OSSが主力ですね。α7RⅢは、従来の一眼レフより一回り小さいというアドバンテージに加えて、一番信頼しているのは写りの素晴らしさです。風景を緻密に撮れる約4240万画素の高解像センサーを搭載し、光学式5軸手ブレ補正が効くので手ブレもし難い。これはすごく便利で、いちいち三脚に据えなくても手持ちで撮れるので、パシャッと手持ちで1枚撮ったらすぐ次に移動、と撮影効率が上がりました。高感度撮影にも強いことや、動物撮影で頼りになる高速連写性能も欠かすことができない要素なので、これらが網羅されたα7RⅢを愛用しています。

極地でも撮影されるからこそ、高いパフォーマンスや信頼感は必須ですよね。
柏倉 : はい。技術面におけるソニーの挑戦的な姿勢が好きなんです。ここまでボディを小さくし、フルサイズセンサーを積んできて、なおかつそれに5軸手ブレ補正を搭載する。出し惜しみなく新しいテクノロジーを投入しようという、挑戦心のようなものを感じます。ユーザーの立場として、どんどん新しい技術を盛り込んでくれるのは嬉しいし、安心感がありますね。

『操作性や機能が本格的な“カメラ”だなと思った』


Xperia 1の第一印象はいかがでしたか?
柏倉 : 率直に言うと、スマートフォンでは撮れないだろうと思っていたんです。それは、これまで僕が使ってきたスマートフォンのカメラに対する感想を踏まえてなのですが、スマートフォンのカメラは、あくまでも“カメラのようなもの”という認識で、画作りはできないはずだと。でも一方で、αの技術が搭載されているということで期待感もありました。だから、とにかく使ってみないとわからないなと。

実際に使われてみて、どうでしたか?
柏倉 : 「スマートフォンもここまできたのか」ととても驚きました。露出、フォーカス、色温度、ISO、ホワイトバランス。写真の基本、コントロールすべきものが網羅されている。しかもそれが指先ひとつで細かく調整できます。例えば露出なら、画面上の露出補正スライダーを指で上下にスライドするだけで調整できるので、感覚的にとてもわかりやすく、撮影しやすかったですね。


16mm、26mm、52mmという3つの搭載レンズについてはいかがですか?
柏倉 : 52mmがあるのが特に嬉しくて、よくぞ搭載してくれましたという気持ちです(笑)。52mmは搭載3本の中では望遠という位置付けですけど、写真の基本となる標準50mm相当の焦点距離でもあるので、とにかく万能で使いやすい。多くのスマートフォンは広角レンズのみなので、「いいな」と思っても被写体が遠のいてしまうことがあるんです。肉眼で見た感じに近く、自然に撮るには52mm。自分の足で寄ったり引いたりしつつ、満足いく撮影ができました。風景写真というと超望遠レンズがマストに思われるかもしれませんが、僕は普段から24-70mmがメインということもあり、この3本で自分が撮りたいシーンを十分撮影することができました。

スマートフォンカメラに対する当初の先入観は変わりましたか?
柏倉 : そうですね。Xperia 1はもう、本格的な“カメラ”だなと。ここまでしっかり機能が盛り込んであり、自分が撮りたい写真が撮れるのは、本当に驚きました。