
映画監督
佐藤 広一
映画監督
佐藤 広一
山形県出身。学生時代より自主製作で映画を撮り始める。1998年、第20回 東京ビデオフェスティバル(日本ビクター主催)にて、短編映画「たなご日和」でゴールド賞を受賞。監督作に「隠し砦の鉄平君」(06年)、Webドラマ「まちのひかり チェーズーベー」(20年)主演:庄司芽生(東京女子流)がある。ドキュメンタリー映画「無音の叫び声」(16年/原村政樹監督)、「おだやかな革命」(17年/ 渡辺智史監督)、「YUKIGUNI」(18年/渡辺智史監督)では撮影を担当。監督作である「世界一と言われた映画館」(ナレーション:大杉漣)が2019年より全国順次公開。
『過多な演出はせず、素材そのものの魅力を伝えたい』


活動内容を教えてください。
佐藤 : 映画監督兼カメラマンをしています。出身地でもある山形を中心に活動していて、他にも広告やCMも手掛けています。今は、山形の県花でもある「紅花」を題材にした長編のドキュメンタリー作品を、2021年公開予定で製作しています。

どういう経緯で映画の世界に携わるようになったのですか?
佐藤 : 中学校くらいから、テレビでは味わえない、壮大な映画の世界観に惹かれてのめり込んでいったんですよね。当時話題の作品を見るごとに、映画がどんどん好きになっていったのを憶えています。それで高校生の頃から自主映画を仲間と製作するようになって。最初はカメラマンとして関わっていたんですけど、次第にディレクションの仕事もやるようになり、監督としても携わるようになったんです。
撮る映画のジャンルにこだわりはあるのですか?
佐藤 : それは特になく、自分の中ではドラマもドキュメンタリーも両方撮りたいと思っています。ただ、ドラマはきっちり台本があって、それを元に絵コンテを書いて場面ごとに撮っていくんですけど、ドキュメンタリーの場合はドラマにはない流動性があるのが魅力なんですよね。現場に行って、こういうネタもあるよ、こういう人もいるよ、という話があればそれを現場判断で取り入れられる。そういうことをしている内に、自分でも意図していなかったところに着地したりするんです。それはドキュメンタリー作品をつくっていて魅力に感じているところですね。

映画制作時には、どんな点にこだわっていますか?
佐藤 : 僕は作品自体のテーマを深堀して、それを見る方に伝えていきたいと思っています。そのためには、あまり映像に過多に演出をいれないようにしています。味付け無しの素材の良さというか、そのものの良さを伝えられたらというのは意識していますね。その方が伝えるべき本質、例えば人の想いみたいなものも映像を見る方に届きやすいと思うんです。その都度、被写体、テーマに寄り添ったものを自分なりに表現できればと思っています。
『画角、Look、モニター、
レンズ、そのすべてに期待が膨らんだ』


Xperia 5の第一印象を教えてください。
佐藤 : まず驚いたのが、21:9の画角が採用されていることですね。今の日本映画ってほとんど16:9のビスタサイズで撮られているんですけど、ちょっと昔の作品って、大作はほとんどシネマスコープっていう横に長いサイズ(2.35:1)だったんです。僕は映画館の横にガって広がっていく画面にずっと憧れがあったので、Xperia 5が横長のサイズを採用しているのは本当に嬉しかった。自主映画を撮ってたときは、ビデオカメラのレンズの上下に黒い紙を貼って、横長の画面サイズにして撮影していたくらいなんで。ただ狭くしているだけなんじゃないかっていう(笑)、そういうこともしていたんです。

Xperia 5に映画品質で撮影が可能なCinema Proが搭載されていることについて、どう思われましたか?
佐藤 : 画期的だと思いました。なぜかというと、今の時代、映像制作は編集で色を変えることを前提で撮影しているんですね。つまり、撮影時に撮った映像がどんな色で仕上がるのかイメージしにくいんです。その点、Cinema ProはLookが選べることにより、現場の世界観をイメージしながら撮影することができます。そして、ディスプレイの色の再現性がとても高いため、どのような仕上がりになるかを現場でさらに精度高く把握できるんです。これは本当に素晴らしいですよ。

他に気になった機能はありましたか?
佐藤 : レンズですね。超広角・標準・望遠と3つ搭載されている。レンズを変えられることで、素材の画質の良さがまったく違ってくると思います。普通のムービーカメラでは、アングルや表現に応じて都度、レンズを交換しなきゃいけないんです。テイクの度に、それをやるのは、めちゃくちゃ大変なんですよね。それがワンタッチでできるというのは衝撃でした。