映像作家藤井 大輔
フリーランスの映像作家。フジロックをはじめとする国内フェスのアフタームービーを始め、ライブステージ映像の収録や配信、MV、企業PV等を手がける。
映像作家の藤井大輔さんが、複数台のカメラを用いた本格的なライブ配信を
屋外ステージも含む会場からXperia PROの電波で配信するという画期的な取り組みに挑戦。
数々の音楽ライブ配信を手がけるプロフェッショナルが、現場で感じたこととは?
開催日程:2021年5月21日
出演:Michael Kaneko、STUTS
制作:SMASH
Xperia PROで配信したライブ配信のアーカイブ映像
Michael Kanekoさんのライブは屋内で、STUTSさんは屋外のテラスで実施。配信と音響はコミュニケーションが取りやすいように隣り合わせの位置に設置。照明ブースはSTUTSさんのステージ脇に配置。
❶~❹α7S IIIからコンバーターを介してXperia PROにHDMI接続。SDI変換してスイッチャーへ入力❺フタ絵・CM再生用プレーヤー❻音響ブースからの音をミキサーで配信用に調整❼❽各ステージへの返しモニター❾配信用Xperia PRO。ライブ配信アプリでYouTubeへ❿バックアップレコーダー
藤井さんがディレクターを務めた今回のライブ配信のコンセプトを教えてください。
大切にしたのはロケーションですね。コロナの影響もありますが、ここ1〜2年でライブ配信の数が増えて、いろんな配信の形が“当たり前”になってきました。そんな状況のなかで、映像制作者としては工夫が求められていると感じています。
僕は音楽フェスやイベントに関連した映像を撮影する機会が多いこともあって、ロケーションも演出のひとつとして考えています。Xperia PROはカメラと接続して「外部モニター」に、通信機能で映像を「ライブ配信」できると聞いて、これまで難しかった屋外のスペースでも面白い配信ができるんじゃないかと思ったんです。
まずは外部モニターとしてのXperia PROの使用感を教えてください。
4K HDR対応で10bitの入力ができる最先端のモニターでありながら、小さくて、薄くて、軽い。モニターによっては外部バッテリーが必要なタイプもあるので、本体が小さくても、ある程度重くなってしまうのですが、今回の配信はXperia PROの内蔵バッテリーのみで余裕で持ちました。あと、出演いただいた2組とも立ち位置がずっと固定されていたので、画として動きのあるカメラワークが必要だったこともあってジンバルを導入しました。
通常ジンバルに外部モニターを取り付ける場合、重くてバランスが取れなくなるため、カメラのシューアダプターに取り付けることはありません。でも、小型軽量のXperia PROならば、そのままカメラに取り付けてもバランスが取れたのは取り回しがよかったです。
2台は三脚に据えてズームレンズを取り付けて撮影。広角ズーム、望遠ズームを2台で使い分け、広角から望遠まで取り付けて様々なアングルを狙った。
他の2台はジンバルに取り付けてSDIケーブルで引き回し自由に動きながら出演者のアップや手元なども含めて撮影した。